第35回全日本女子学生剣道優勝大会

 絶好の行楽日和に恵まれた11月13日、愛知県「春日井市総合体育館」において第35回全日本女子学生剣道優勝大会が開催されました。本大会は、各地区連盟より割当に従って選出された代表校56大学が日本一の座を争う女子団体試合で、関西地区からはベスト8進出の各大学に加えて、ベスト16進出の8大学中、敗者復活戦を勝ち抜いた3大学の計11大学が出場します。本学も、去る9月25日の関西予選において敗者復活戦を勝ち抜き、平成25年以来、3年ぶりとなる出場を果たし、以下の布陣で今大会に臨みました。

 

  中本 夏海 選手(4年 西大寺高等学校出身)

  小日山瑞希 選手(4年 初芝立命館高等学校出身)

  惠上かし香 選手(3年 相生産業高等学校出身)

  中川  萌 選手(2年 甲子園学院高等学校出身)

  野村 純花 選手(2年 津田学園高等学校出身)

  樋口 琴音 選手(1年 甲子園学院高等学校出身)

  西村  葵 選手(1年 初芝立命館高等学校出身)

 

 以上の出場選手を始め、女子部員と菅沼満寛 監督(S53年卒)他、指導陣は前日より現地入りし、会場となる春日井市総合体育館において最終調整の後は、名古屋市在住の小南幸信 先輩(S42年卒)もご参加いただき、指導陣と女子部員による懇親会を開催しました。

 大会当日、組合せトーナメント上、本学が位置するのは大阪体育大学や筑波大学、更には鹿屋体育大学や国際武道大学、そして国士館大学といった優勝候補の強豪ひしめく激戦区で、その初戦は、北信越予選を2位で突破した福井工業大学と対峙しました。指導陣の他、関西より応援に駆けつけた先輩方や、男子部員達が見守る中、先鋒から副将まで引き分けが続き、迎えた大将戦では中本選手がメンを先取されますが、お返しとばかりに同じメンで取り返して勝負をタイに戻し、試合を代表者決定戦に持ち込みます。ここで本学は、本大会出場を決めた関西予選の敗者復活戦に続き、再び1年生の西村選手に勝負を託します。相手は大将選手を再び試合場に送り込み、一本勝負が始まりました。西村選手はここでも、強豪 筑紫台高校出身の相手選手による猛攻をよく凌ぎ、開始5分が経過しようとしたところ、見事なコテメンを決めて接戦を制しました。そして本学は遂に、今大会優勝候補の一角、筑波大学との対戦を迎えました。本大会優勝8回を数える筑波大学は、今大会、関東予選こそベスト16進出で通過したものの、インターハイ覇者2名を擁する布陣で初戦は環太平洋大学短期大学部を3-1で破り、好発進を見せています。その強豪相手に、初戦とオーダーを変更して臨んだ本学は、先鋒戦で4年生 小日山選手がメンに色を見せてのコテで一本勝ちし、観客席を沸かせます。続く次鋒戦で、このまま流れを作りたいところでしたが、リードを許した筑波大学の猛追が始まり、次鋒戦と中堅戦で連敗を喫し、副将戦と大将戦でも相手選手の厳しい攻めを前に逆転叶わず、本学3年ぶりの大舞台は2回戦進出で幕を閉じました。

 

  1回戦 甲南大学 1(1)代ー 1(1) 福井工業大学

  2回戦 甲南大学 1(1) ー 2(3) 筑波大学

 

  関西予選の敗者復活戦においては代表者決定戦の末、出場権を獲得した今大会、予選に続いてチームを2回戦へと導いた1年生選手の活躍は去ることながら、特筆すべきは、今大会を最後に引退する4年生選手2名各々が意地の一本で見せ場を作ったことです。関西予選からここに至るまでには、伊藤明裕 師範を始めとする指導陣の熱心なご指導のもと、4年生による強力なリーダーシップが女子部員を牽引し、その結果が下級生の活躍として反映されたに他なりません。去り行く彼女たちが作った少数精鋭集団を引き継ぐ3年生以下6名の女子部員は、この大舞台での貴重な経験を糧に、来年、またこの地に立つべく、明日からの稽古に臨まれんことを切に願います。 

 また、今大会には、本学より以下の先輩方に大会役員・審判員の労を取っていただきました。

 

  大会特別委員 石田 明久 先輩(S57年卒)

  審判員    田頭 啓史 先輩(S52年卒)       

 

 以上の先輩方を始め、大会当日、ご来場賜りました多くの先輩方に、厚く御礼申し上げます。

 

  ご来場の先輩     小南 幸信 先輩(S40年卒)     

  (女子監督を除く)  山本 眞人 先輩(S46年卒)

             小林  進 先輩(S52年卒)

             堂内 昌孝 先輩(S57年卒)

             森本 俊也 先輩(S61年卒)

             入江 尚吾 先輩(H11年卒)

             友澤 剛  先輩(H14年卒)

                                       

 なお、本大会の結果は次の通りです。

  

  優勝  明治大学(初優勝)

  準優勝 日本体育大学

  第三位 国士舘大学

  第三位 法政大学 

会場となった春日井市総合体育館。横断幕には「剣道のまち 春日井」の文字。
会場となった春日井市総合体育館。横断幕には「剣道のまち 春日井」の文字。
前日入りした選手たちは会場で最終調整に臨んだ。
前日入りした選手たちは会場で最終調整に臨んだ。

調整を終え、石田先輩のアドバイスに耳を傾ける選手たち。
調整を終え、石田先輩のアドバイスに耳を傾ける選手たち。
前日は会場にて役員・審判員中心に稽古会が実施された。
前日は会場にて役員・審判員中心に稽古会が実施された。

大会特別委員の石田先輩と剣道具持参で前日入りした森本助監督。
大会特別委員の石田先輩と剣道具持参で前日入りした森本助監督。
審判者講習会を終えた田頭先輩と監督会議を終えた菅沼監督。
審判者講習会を終えた田頭先輩と監督会議を終えた菅沼監督。

かつて世界選手権大会メンバーとして共に戦った香田郡秀 教士八段(筑波大学部長)と立合う石田先輩。
かつて世界選手権大会メンバーとして共に戦った香田郡秀 教士八段(筑波大学部長)と立合う石田先輩。
役員審判員のスリッパを並べる学生剣道連盟幹事たち。彼ら学生役員の尽力により運営される大会であることを選手は忘れてはならない。
役員審判員のスリッパを並べる学生剣道連盟幹事たち。彼ら学生役員の尽力により運営される大会であることを選手は忘れてはならない。

大会前夜は宿舎近くにてOBと女子部員との懇親会を実施。
大会前夜は宿舎近くにてOBと女子部員との懇親会を実施。
女子部員も明日に向けて英気を養う。
女子部員も明日に向けて英気を養う。

名古屋市在住の小南先輩に乾杯の挨拶をいただく。
名古屋市在住の小南先輩に乾杯の挨拶をいただく。
田頭強化委員から明日に向けてのアドバイスをいただく。
田頭強化委員から明日に向けてのアドバイスをいただく。

菅沼監督から明日の連絡事項が伝えられる。
菅沼監督から明日の連絡事項が伝えられる。
選手たちを激励する石田強化委員。
選手たちを激励する石田強化委員。

大会当日は男子部員も応援に駆けつけ、OBの案内などにあたった。
大会当日は男子部員も応援に駆けつけ、OBの案内などにあたった。
会場内には地元春日井市の特産物販売コーナーも設置された。
会場内には地元春日井市の特産物販売コーナーも設置された。

毎日新聞地方版では主催大会として大きく取り上げた。
毎日新聞地方版では主催大会として大きく取り上げた。
大舞台に堂々と入場する本学選手たち(左から2番目の列)。
大舞台に堂々と入場する本学選手たち(左から2番目の列)。

本年も8地域56大学385選手が出場の今大会。
本年も8地域56大学385選手が出場の今大会。
春日井市の伊藤太市長は剣道教士七段。
春日井市の伊藤太市長は剣道教士七段。

観覧席最前列で試合を見守る本学OBたち。
観覧席最前列で試合を見守る本学OBたち。
初戦を前に相手校と対峙する本学選手たち。
初戦を前に相手校と対峙する本学選手たち。

中本夏海 選手(4年)
中本夏海 選手(4年)
小日山瑞希 選手(4年)
小日山瑞希 選手(4年)

野村純花 選手(2年)
野村純花 選手(2年)
中川萌 選手(2年)
中川萌 選手(2年)

西村葵 選手(1年)
西村葵 選手(1年)
初戦、副将戦まで引き分けで迎えた大将戦で相手選手に先取される。
初戦、副将戦まで引き分けで迎えた大将戦で相手選手に先取される。

お返しとばかりに中本選手が取り返し勝負はタイに。
お返しとばかりに中本選手が取り返し勝負はタイに。
リードされた展開から中本選手の一本で試合は代表者決定戦へ。
リードされた展開から中本選手の一本で試合は代表者決定戦へ。

代表者選出にあたり本学陣営では菅沼監督が選手の意思を確認する。
代表者選出にあたり本学陣営では菅沼監督が選手の意思を確認する。
代表者には関西予選に続き西村選手が指名された。
代表者には関西予選に続き西村選手が指名された。

決戦に臨む西村選手。
決戦に臨む西村選手。
本学の運命は1年生ルーキーに託された。
本学の運命は1年生ルーキーに託された。

石田先輩も試合場近くの関係者席から固唾を飲んで試合を見守る。
石田先輩も試合場近くの関係者席から固唾を飲んで試合を見守る。
周囲の期待に応え西村選手が接戦を制した。
周囲の期待に応え西村選手が接戦を制した。

3年ぶりの大舞台で2回戦進出を決めた直後の本学選手たち。
3年ぶりの大舞台で2回戦進出を決めた直後の本学選手たち。
初戦を終え、菅沼監督と2回戦に備える選手たち。
初戦を終え、菅沼監督と2回戦に備える選手たち。

中本主将中心に意思統一を図る選手たち。
中本主将中心に意思統一を図る選手たち。
大会参与である学習院大学の廣永茂樹 先輩も激励に訪れた。
大会参与である学習院大学の廣永茂樹 先輩も激励に訪れた。

筑波大学との決戦を前に試合場に入る選手たち。
筑波大学との決戦を前に試合場に入る選手たち。
小日山選手の一本勝ちにより本学が先鋒戦からリードする展開に。
小日山選手の一本勝ちにより本学が先鋒戦からリードする展開に。

インターハイ覇者2名を中心に構成される筑波大学の猛追を前に本学は逆転を許す。
インターハイ覇者2名を中心に構成される筑波大学の猛追を前に本学は逆転を許す。
1-2の相手リードで遂に大将戦を迎える。
1-2の相手リードで遂に大将戦を迎える。

4年生の選手生活そして本学の全日本大会が終わった…。
4年生の選手生活そして本学の全日本大会が終わった…。
試合終了後、選手の健闘に感極まる菅沼監督。
試合終了後、選手の健闘に感極まる菅沼監督。

中本主将中心にチーム最後のミーティング。
中本主将中心にチーム最後のミーティング。
明治大学と日本体育大学の関東勢対決となった決勝戦。
明治大学と日本体育大学の関東勢対決となった決勝戦。

審判員として決勝戦を裁く田頭先輩。
審判員として決勝戦を裁く田頭先輩。
本学を破った筑波大学は大阪体育大学との接戦を制した後、国士舘大学の前に準決勝戦で散り、ベスト8進出に終わった。激戦区を勝ち抜いた国士舘大学も続く準決勝戦で明治大学に僅差で敗れ、その明治大学が混戦を制し、初優勝を飾った。
本学を破った筑波大学は大阪体育大学との接戦を制した後、国士舘大学の前に準決勝戦で散り、ベスト8進出に終わった。激戦区を勝ち抜いた国士舘大学も続く準決勝戦で明治大学に僅差で敗れ、その明治大学が混戦を制し、初優勝を飾った。