第13回全日本女子学生剣道東西対抗試合

 会場周辺ではG20大阪サミット開催に伴い大規模な交通規制が敷かれた6月29日「エディオンアリーナ大阪」(大阪府立体育会館)において、第13回全日本女子学生剣道東西対抗試合が開催されました。本試合は、各地域連盟より割当に従って選出された東軍・西軍各々10名による勝ち抜き戦方式の対抗試合です。試合時間3分の3本勝負で、勝敗の決しない場合は、引き分けとなりますが、いずれかの大将が出てきた時点で勝敗の決するまで延長戦が行われます。西軍選手10名の内、関西連盟選出枠を4名で、5月19日に開催された関西女子学生選手権大会においてベスト4進出の選手と理事会の推薦による選手の計10名程度から選考会を経て選出されます。今回、本学4年の西村葵 選手(初芝立命館高等学校出身)が、理事会より候補選手として推薦され、選考会を経て、本学女子部員からは第4回東西対抗試合(平成22年)の高島千沙 先輩(H23年卒)以来、2人目となる正選手4名に選出されました。西村選手は、先日の関西女子学生選手権大会こそベスト32まで進出し、あと一歩のところで全日本大会出場を逃しましたが、2年時に出場の全日本女子学生選手権大会においてはベスト16進出を果たしており、その実績・実力と選考会での結果が評価されての選出です。

 試合当日は、同会場で第53回全日本女子学生選手権大会が開催され、ベスト4の内、昨年度全日本女子学生優勝大会で初優勝を飾った明治大学から3名が進出し、決勝では同門対決を制して小松選手(明治大学3年、東奥義塾高等学校出身)が優勝しました。明治大学勢が圧倒的な強さを示した個人戦の余韻が残る中、本学女子としては9年ぶりの出場となる東西対抗試合が始まりました。西村選手は10人戦において中堅の後、大将から数えて4人目である4将を託されました。試合展開は、先鋒戦から東軍にリードを許し、西軍中堅の妹尾選手(鹿屋体育大学1年、中村学園女子高等学校出身)が高校生で世界選手権出場の実力を発揮し2人抜きましたが東軍6将と引き分けて、東軍の1人リードで西村選手の出番を迎えます。

 応援の本学部員たちやOBOGが見守る中、西村選手は、まず東軍中堅 小林選手(富士大学)を引きコテで討ち取り、勝負を4将同士のタイに持ち込みます。続く東軍4将 森田選手(北海道医療大学)には見事なメンで1本勝ちを収め、ついに西軍は逆転に成功し、西村選手は昨年度全日本女子学生選手権覇者である東軍3将 藤崎選手(明治大学)を引き出します。当日の全日本女子学生選手権大会においても連覇は逃したものの第三位入賞の実力者相手に、西村選手は互角の戦いで引き分けに持ち込み、西軍の1人リードで副将につなぎ、その役割を全うしました。折しも今大会から毎日新聞社によるインターネット中継で全国に配信される大舞台において、大健闘を見せた西村選手に観客席からは惜しみない拍手が送られました。東西対抗試合の結果は、その後、大将戦の末、惜しくも東軍の勝利に終わりましたが、この日、西軍選手で2勝挙げたのは、中堅の妹尾選手と西村選手の2人だけでした。そうした結果と試合内容が評価され、西村選手は、東西両軍から5名選ばれる優勝選手として表彰されました。東西対抗試合で優秀選手として表彰されるのは平成10年の第45回男子東西対抗試合における入江尚吾 現男子監督(H11年卒)以来、実に21年ぶりの快挙です。

 

  西軍4将 西村 コー   東軍中堅 小林(富士大学3年 森岡南高等学校出身)

       西村 メー   東軍4将 森田(北海道医療大学3年 札幌日大高等学校出身) 

       西村 引き分け 東軍3将 藤崎(明治大学4年 島原高等学校出身)

       →東西対抗試合優秀選手

 

 本学女子9年ぶり2度目の出場にして優秀選手に選ばれる初の快挙は、西村選手本人の努力もさることながら、伊藤明裕 師範を始めとする監督・助監督・強化委員といった指導陣の熱心な指導の賜物であり、本学現役部員に大いなる刺激を与えたことは確かです。

 なお、今大会には、本学より以下の先輩方に大会役員の労を取っていただきました。

   

  大会副委員長 石田 明久 先輩(S57年卒)

  審判員    田頭 啓史 先輩(S52年卒)

 

 以上の先輩方を始め、大会当日、ご来場賜りました多くの先生・先輩方に、厚く御礼申し上げます。

 

  ご来場の先生・先輩  伊藤 明裕 師範

  (女子監督を除く)  前田 忠弘 部長              

             小林    進 副会長(S52年卒)

             森本 俊也 助監督(S60年卒)             

             植田正二郎 先輩 (H 5年卒)

             友澤  剛 先輩 (H14年卒)

             影山 祐介 先輩   (H31年卒)

 

 また、同時開催の第53回全日本女子学生選手権大会の結果は次の通りです。  

  女子優勝 小松 加奈 選手 (明治大学3年 東奥義塾高等学校出身)

   準優勝 山崎 里奈 選手 (明治大学2年 中村学園女子高等学校出身)

   第三位 河嶋 香菜子 選手(立教大学4年 本庄第一高等学校出身)

   第三位 藤崎 薫子 選手 (明治大学4年 島原高等学校出身)

会場となったエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)。
会場となったエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)。
昨年は西軍の勝利だったため開会式で西軍を代表して優勝杯を返還する本学 西村選手。
昨年は西軍の勝利だったため開会式で西軍を代表して優勝杯を返還する本学 西村選手。

同時開催の全日本女子学生選手権大会決勝はベスト4の内、3名を占めた明治大学勢の同門対決となった。
同時開催の全日本女子学生選手権大会決勝はベスト4の内、3名を占めた明治大学勢の同門対決となった。
主審として女子決勝戦を裁く田頭先輩。
主審として女子決勝戦を裁く田頭先輩。

会場には伊藤師範・前田部長を始め、多くの先輩方が応援に駆けつけた。
会場には伊藤師範・前田部長を始め、多くの先輩方が応援に駆けつけた。
西軍選手とともに大舞台へ入場する西村選手。
西軍選手とともに大舞台へ入場する西村選手。

いよいよ本学女子9年ぶりの東西対抗試合が始まる。
いよいよ本学女子9年ぶりの東西対抗試合が始まる。
試合展開を見ながら落ち着いて出番を待つ西村選手。
試合展開を見ながら落ち着いて出番を待つ西村選手。

西軍中堅戦が引き分けに終わり東軍1人リードで西村選手に勝負が回って来た。
西軍中堅戦が引き分けに終わり東軍1人リードで西村選手に勝負が回って来た。
積極果敢に技を出す西村選手。
積極果敢に技を出す西村選手。

まずは東軍中堅の小林選手を引きコテで討ち取る。
まずは東軍中堅の小林選手を引きコテで討ち取る。
続いて東軍4将の森田選手に見事なメンを決めて西軍に逆転でリードをもたらす。
続いて東軍4将の森田選手に見事なメンを決めて西軍に逆転でリードをもたらす。

最後は昨年度全日本優勝・今年度三位入賞の東軍3将 藤崎選手と互角に渡り合い、引き分けで3将につなげた。
最後は昨年度全日本優勝・今年度三位入賞の東軍3将 藤崎選手と互角に渡り合い、引き分けで3将につなげた。
結果は大将戦の末、東軍の勝利に終わったが、中盤、逆転のリードを西軍にもたらした西村選手の健闘は会場を大いに沸かせた。
結果は大将戦の末、東軍の勝利に終わったが、中盤、逆転のリードを西軍にもたらした西村選手の健闘は会場を大いに沸かせた。

本学女子2度目の大舞台の幕が降りた。
本学女子2度目の大舞台の幕が降りた。
西軍選手でこの日、2勝を挙げたのは中堅の妹尾選手と本学 西村選手の2人。西村選手の健闘に観覧席から惜しみない拍手が送られた。
西軍選手でこの日、2勝を挙げたのは中堅の妹尾選手と本学 西村選手の2人。西村選手の健闘に観覧席から惜しみない拍手が送られた。

今大会より毎日新聞社がインターネット中継を配信し、これにより「甲南の西村」の名が会場はもとより全国に知れ渡った。
今大会より毎日新聞社がインターネット中継を配信し、これにより「甲南の西村」の名が会場はもとより全国に知れ渡った。
西村選手の健闘が評価され、東西両軍で5名の優秀選手に選出された。
西村選手の健闘が評価され、東西両軍で5名の優秀選手に選出された。

大会終了後は前田部長を囲みOB懇親会が催され、西村選手の大健闘を話題に美味しい酒が進んだ。
大会終了後は前田部長を囲みOB懇親会が催され、西村選手の大健闘を話題に美味しい酒が進んだ。
懇親会には大会役員として来阪の学習院大学 吉田臣吾 監督(学習院大学S57年卒)も出席。同期の石田先輩とも大いに語り合った。
懇親会には大会役員として来阪の学習院大学 吉田臣吾 監督(学習院大学S57年卒)も出席。同期の石田先輩とも大いに語り合った。

西村選手の快挙は、本学の歴史にその名を刻み、現役部員に大いなる刺激を与えたことは間違いない。
西村選手の快挙は、本学の歴史にその名を刻み、現役部員に大いなる刺激を与えたことは間違いない。